2012年9月26日水曜日

レビュー

・前置き

 ネタに困った時はどうしたらいいか?
 そんなのは決まってる。レビュー記事を書けばいい。
 簡潔で、的確なレビューだ。
 今回のレビューは18禁ADVゲーム。
 俗に言う"エロゲー"って奴をプレイした感想を、(適当に)書いて行きたいと思う。

 タイトルはズバリ
恋騎士 PurelyKiss」。
 実にエロゲーらしい、よくよく考えると何を言ってるのかさっぱり分からない、ぶっ飛んだタイトルだ。

 あらすじ等は省略。
 詳しく知りたい方は是非とも公式サイトで確認して頂きたい。
 また、今回のレビューは主にシナリオを対象とし、その他システム等は特に考慮していない。


■レビュー

 ・能書き

 まず一つ確かなのは、このゲームが実にエロゲーらしいエロゲーである、ということだ。
 可もなく不可もなく万人受けする要素が要所要所に散りばめられており、とりあえず一人くらいは気になるキャラが見つかるのではないだろうか。
 各シナリオには漏れなくお涙頂戴なシーンも盛り込まれていて、クリア後にはそれなりの満足感が得られるだろう。

 しかし結果的に、それらの要素が薄く広くとなってしまった感は否めない。
 個人的にはもう少し冒険してもよかったのでは? と思わざるをえない内容にまとまっている。
 このゲームをプレイする方は是非、「何も考えずにヒロインでブヒれればいいや」ぐらいの心構えで挑まれるといいだろう。

 ・ヒロイン

 エロゲーにおいてヒロインはとても大事なファクターである。
 これについて、今更異論を唱える不逞の輩などはいないはずだ。

 当ゲームにも当然、充実のヒロイン陣が顔を揃えている。
 省略して紹介すると、まずメインヒロイン陣が
  • ツンデレ金髪な豪快お嬢様(ただし少女趣味) 
  • 黒髪ロングで男女関係に疎い努力家お嬢様
  • 準ロリピンク髪の元気っ子
  • 準ロリ紫髪のお兄ちゃんっ子な妹
 という面々。
 他にもサブヒロインでロリBBAも備えており、まさに全方面に向けて数撃ちゃ当たる作戦を展開しているわけだ。
 おっぱいも無から巨乳まで網羅している。

 網羅している、のだが……いかんせん、キャラが薄い。
 というか実にありきたりなのである。
 どこかで見たような要素の集合体、の域を出ないヒロイン陣。

 絵が好みでなければとっくに投げている。
 残念ながら、これに感情移入しろという方が難しい。
 だがきっとウケはいいだろう。
 何も考えずにマウスを連打してブヒるには、最高のヒロイン陣なのだから。

 ・シナリオ

 もしもシナリオに期待してこのゲームの購入を検討している人がいたとしよう。
 僕ならこう言う。
「やめておけ」と。

 この作品にはそもそも、目的と言えるようなテーマが存在しない。
 世界観こそ凝って作られてはいるが、それらはあくまでもヒロイン陣をブヒる為の設定でしかない
 強いて言うならヒロインをブヒるのが目的、テーマなのだ
 そんな事考えならプレイしていると「……あれ? あ、それで終りなんだ」となってしまう可能性が重々にある。
 もう一度言うが、このゲームはヒロインをブヒるだけのゲームだ
 公式サイトに載ってるような騎士だとか学園生活だとかはおまけだと思えばいい。


 基本的なシナリオの流れは、ABの2パートに分かれる。
 Aが共通パートであり、このときの選択肢次第でヒロイン毎の固有パートであるBパートの内容が変わってくる。

 そしてこのAパートが実に退屈なのだ。
 一周目はまだいいのだが、2週目になると特に見所もないので、オールスキップ余裕である
 しかもAパートは中々に長い。
 体感ではA:Bの割合が5:5もしくは6:4くらいはあるように思える。

 このAパートのクソさに拍車をかけるのが、何の捻りもない選択肢群である。
 作中で「稽古」や「巡回」と銘打って、どのヒロインと共に行動するかを選ぶ機会が複数ある。
 お察しの通り、この時選んだヒロインで後のルートがほぼ決定するのだ。
 そんなに分かりやすい選択肢なら一度選べば十分だろうに、いちいち何度も何度も同じヒロインの名前をクリックする煩わしさと言ったらない
 どうせハーレムルートはないんだから、同じヒロインしかクリックしないに決まっているだろう。製作者はアホなのか。

 その他の選択でも、基本的にはそれぞれのヒロインの好感度を左右するものしか出てこない
 その上、それらのほとんどは誰の好感度が上がるか、想像に難くない安易な物ばかり。

 また、シナリオ上の重大な局面などは全て、選択肢など出さずにシナリオ側で勝手に進めてくれる親切設計だ。
 プレイヤーはヒロインのご機嫌取りさえしておけば、あとはマウスを連打するだけ。
 気づいたら大事件も解決している。


 ちなみにヒロインとサブヒロインの違いはほとんどない。
 強いて言えば「1度クリア後にしかルートが開かない」「ちょめちょめシーンが1度のみ」というぐらいだ。
 内容のカッスカス具合はどっちもそんなに変わらないので、サブヒロイン狙いでもそこまで落胆はしないだろう。

 それとバッドエンドもない。
 個人的にはこれが一番、残念だった。本当に……。

◆総評

 ここまでボロッカスに書いておいてなんだが、この作品に点数を付けるのであれば僕は、70点を付けたい。
 これを高いか低いと捉えるかは多数意見があるだろう。
 僕としては、そこそこ高い点を付けたつもりだ。
 なんだかんだで、ヒロインをブヒるには最適のゲームである、というのが僕の結論だからだ。

「奥深くまで抉ったシナリオで、ゲームをクリアした後も語れるような作品をプレイしたい!」
 という人には180度、完全に向いてない種のゲームである。
 しかしクドいようだが、このゲームはヒロインをブヒるだけのゲームなのだ。
 つまり、これでいいのだ。
 むしろその面から見れば、実に完成度の高いゲームであるとすら言える。
 そういったゲームをお望みの諸氏には一考の価値あるゲームだろう。


 最後に。
 なぜそんな完成度の高いゲームが70点に留まったのかだけ書いて、このレビューを締めることにしよう。
 答えは簡単。
 僕がヒロインをブヒるだけのゲームをやる気分じゃなかったから。
 それだけだ。

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